我慢しないで!月経困難症と子宮内膜症の痛みの違いと最新治療法


(※画像はイメージです)

「生理痛はあって当たり前」と我慢していませんか?
市販薬が効かないほどつらい生理痛(月経困難症)の裏には、子宮内膜症をはじめとする病気が隠れている可能性があります。
特に、年齢を重ねるごとに痛みが強くなる、市販薬の量が増えるといった変化は、注意が必要です。

この記事では、月経困難症の中でも特に注意すべき子宮内膜症に焦点を当て、一般的な生理痛との痛みの違い、そして婦人科で受けられる最新の治療法までを詳しく解説します。
あなたの痛みを我慢せず、適切な治療を受け、快適な毎日を取り戻しましょう。

月経困難症とは?「機能性」と「器質性」の違い

月経困難症とは、生理期間中に日常生活に支障をきたすほどの腹痛や腰痛などの症状を指します。大きく2種類に分けられます。

  • 機能性月経困難症:
    子宮や卵巣に病的な異常がないもの。
    主に生理を起こすために過剰に分泌されるプロスタグランジンという物質によって、子宮が強く収縮することで起こります。
    若年層に多く見られます。
  • 器質性月経困難症:
    子宮内膜症子宮腺筋症子宮筋腫など、子宮や卵巣の病気が原因となっているもの。
    病気の進行とともに症状が悪化する傾向があり、成人女性に多く見られます。子宮内膜症は、この器質性月経困難症の代表的な疾患です。

子宮内膜症とは?痛みと病気のメカニズム

子宮内膜症は、子宮の内側以外に子宮内膜と似た組織ができてしまう病気です。

  • 病気のメカニズム:
    本来子宮の内側にしかないはずの子宮内膜組織が、卵巣や腹膜など子宮の外側に発生し、そこで増殖と剥離(出血)を繰り返します。
    この組織から出た血液の逃げ場がなく、炎症や周囲の臓器との癒着を引き起こすことが、強い痛みの原因となります。
  • 子宮内膜症による痛みの特徴:
    一般的な生理痛と異なり、痛みが年々増していくのが最大の特徴です。
    また、生理期間以外(排便痛、性交痛など)にも痛みを感じるようになるケースが多く、鎮痛剤が効きにくい傾向があります。

我慢しない!婦人科で受けられる主な治療法

月経困難症や子宮内膜症の治療は、痛みを緩和することと、病気の進行を抑えることが主な目的となります。

  • 薬物療法(ホルモン療法):
    • 低用量ピル(LEP): 女性ホルモンの量を調整し、排卵を止めたり、子宮内膜の増殖を抑えたりすることで、生理痛を緩和し、病気の進行を抑えます。
    • 黄体ホルモン製剤(ディナゲストなど): エストロゲンの働きを抑え、子宮内膜組織の増殖を強力に抑える作用があり、子宮内膜症の治療に広く使われます。
  • 対症療法:
    非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛剤を使用し、痛みを緩和します。
    プロスタグランジンの分泌を抑えるために、痛みが強くなる前(予兆を感じた時)に服用するのが効果的です。
  • 手術療法:
    薬物療法で効果が得られない場合や、チョコレート嚢胞(子宮内膜症が卵巣にできたもの)が大きい場合、妊娠を強く希望する場合などに、病巣を切除する手術が行われます。


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治療の目的と選択:未来の自分を守るために

器質性月経困難症、特に子宮内膜症の治療は、単に「今の痛みを取る」だけでなく、「将来の不妊リスクや病気の再発を防ぐ」という重要な意味を持ちます。

  • 妊娠希望の有無:
    治療法の選択は、将来妊娠を希望するかどうかで大きく変わります。
    妊娠を希望する場合は、排卵を抑制しない治療法や、手術後の計画が重要になります。
  • 早期発見・早期治療の重要性:
    子宮内膜症は進行性の病気であり、進行すると不妊の原因になったり、卵巣がんのリスクを高めたりする可能性があります。
    生理痛が強くなったり、鎮痛剤の量が増えたりしたら、「異常のサイン」として捉え、すぐに婦人科を受診することが、未来の健康を守ることにつながります。

まとめ

生理痛を我慢し、市販薬でごまかし続けるのは危険です。
つらい痛みは、単なる体質ではなく、子宮内膜症などの病気が隠れている「かくれ病気」のサインかもしれません。

ご自身の痛みの特徴(年々強くなっているか、生理期間外にも痛みがあるか)を冷静にチェックし、異常を感じたらすぐに婦人科を受診しましょう。
適切な診断と最新の治療を受けることで、生理の痛みから解放され、日常生活の質を大きく向上させることができます。

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